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ヤツフサ(八房)

 

分類:神獣・悪霊

 

もと里見領内の村人に飼われる、母犬を亡くし狸に育てられた里見家の飼犬。

体に八つの牡丹の花のような斑がある。滝田城の戦の際、敵将安西景連の首を取り、里見義実との約束通り恩賞として伏姫と結婚。このとき、狸の名「玉面」(たまつら)が玉梓(たまづさ)と通じる名詮自性が明かされ、このことは玉梓の怨念によるものであった。

富山ではじめ獣欲があったが伏姫の読経を聞くうちに菩提の心を生じ、八房に取り憑いた玉梓の怨念は浄化。通い合った気が八子の種子となり伏姫に宿るとともに、数珠玉の『如・是・畜・生・発・菩・提・心』の文字が人倫道徳たる仁義八行の文字に戻ったことが示される。伏姫とともに山中に入った金碗大輔の鉄砲に撃たれて死んだ。

以後は伏姫神の乗騎として描かれる。

八房が安西景連を討ち取った話は高辛氏の飼い犬『盤瓠』の話起源。

 

数珠玉

仙翁から伏姫に譲られた水晶の数珠。108つの玉の内の8つの大玉は、『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』と、八房が伏姫を恋い慕うようになり『如・是・畜・生・発・菩・提・心』の8文字がひとつずつ浮かぶように。伏姫の死に数珠が飛散する際に『仁・義・礼・智・忠・信・孝・悌』と変わった。

 

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